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04/21 : 圧倒的、熱狂的動機。

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動機や喜びは、どれほどのものか? お互いに。

初めてカラーテレビが家に届いた日には、うれしくて、ワクワクで夜中に何度も目が覚めた。
白黒画面に憧れの色がついた、なんとも言えぬ幸福感。
翌日、様子見にやってきた電気店の親父さんは、「なっ、いいべ!」と得意気だ。
家庭への新たな明るさの運び人として、他者の喜びが我が事のうれしさでもあったのでしょう。

田舎で市営住宅に住んでいた小学生の頃、風呂場を建て増しした向かいの人が、
近所の子どもたちを呼んではお湯に入れてくれた。
風呂場はちょっとしたワラシ・コミュニティとなり、日常に人が集うことの活気と体温を
子どもながらに確かに感じていた。呼んでくれた方はもちろんでしょう。

父親がおそらく初めて買った車、スバル360で隣町の十和田湖へ。
3人を乗せた車は湖近くの急坂をエンジン唸らせ、えっちらおっちら。気がつけば渋滞の元を
つくり、他車に道を譲りながらの小ドライブ。冬には、車内で缶カラで固形燃料を燃やして
暖をとったりもしたけれど、愛着は増したもの。
父親は、この後もスバル360を数台~スバル1000~1300~1300G~レオーネ~レオーネクーペ
~他メーカー5、6台を乗り継いだけれど、カーライフとの距離感をスバルという会社が
つくってくれたのでしょう。オーディオとクーラーが付いた時には、ものすごく
うれしかったことを覚えています。
クルマのある生活も、そこに設備される技術のかたちも、子どもにとっても大きな存在感
を放っていた。


インドのタタ・モーターズの発表した世界最安のクルマ、ナノ。
このことを知ったときに、なんだか上記のようなことを思い出したのです。

安全性や快適性だとか、会社の経営状態だとか、クルマ先進国の人たちからみて、
いろいろあるでしょう。
でも、そんなことより、このクルマがインドやアジア諸国の人たちに、
どんな想いで迎え入れられるのか、ということが肝心ではないのかというのが、
個人の関心の的です。

もし、車で生活が明らかに変わる。夢や暮らしのおっきな喜びを描く中に位置づけられる。
だから、なんとかがんばれば手の届くかも、という人にも活気を与えることが
できるのなら、この会社のやってることはとても意味、価値のあること。


すべての仕事が、誰かになにかを提供しているという視点で、
みんな、なにかを「つくっている」と思うのですが、
つくる側と享受する側が「ちょっと便利、楽しい」が始点になってしまう、
ならざるをえない状況・環境にいるのだとしたら、ちょっと寂しい。

とくに、つくる側が圧倒的に、熱狂的に、こう世の中が変わっていくんだ。
こんなに喜びが生まれるんだ、というモチベーションやコンセプトなしに
やったことは、たかが知れてます。シビレません。

正直に言えば、自分もその中に含まれるだろうし、もっと言えば、知る限り大方
90ン%の人もそうだと思っています。そう容易いことじゃない。
結果として、役立つうんぬんだとしても、所詮は誰かに頼まれた、「仕事」だから、
発注者と受注者の枠組みの中でやっていること。

それでもいいし、必要だし、社会の基盤をつくるための、なにかをつくるなんて
限られた人しかできないのかもしれない。
でも、やる奴は頼まれもしないのに、ばかにされようが、自分の動機で、
これはというもの賭けて、世の中に刺激を与えている。

大きいことをするとかしないとかじゃなく、人が見えやすくなるいう意味では、
自分はどの位置にいるかは自覚をもっていくし、その上で
アンタはどうなの?という心の眼でみていたい。


折りしも、先日の新聞でホンダ社長のこんな記事を目にしました。
(2009.4.15 朝日新聞)

「意のままに動く、個人の移動手段に世界は飢えている」

日本や米国などの一部の都市の現象が異常なのであって、世界は乗り物に
圧倒的に飢えている、二輪車が欲しい人もいっぱいいる、と。
「たとえば、発展途上国で、小さなモーーター付自転車を買って、
何かを運ぶことが、価値を産むんです」

「社会のインフラとしての自動車への要求度は高まっていて、それは
満たさなければいけない。でも、それだけじゃつまらない。ホンダは必ず、
乗って喜ぶ、つくって喜ぶという喜びのファクターを車に込めます。
インサイトは燃費がいい、価格が安いだけじゃない。乗って楽しいんです。
最後はそこにこだわるんですよ」

大手メーカーのように、すべてを自分たちの意思のもとに、というのは
むずかしいことだとは思うけど、やっぱり、なににモチベーション込めて
それをやってるの?という根っこの部分をどう扱うか。

="「【インド株】タタ・モーターズ「ナノ」、10万ルピーで発売」記事より">「【インド株】タタ・モーターズ「ナノ」、10万ルピーで発売」記事より
「ナノ」の登場により、5,800万人のバイク購入層を含む推定1,400万世帯が乗用車購入層に加わると
予測している。

"「タタ・モーターズの初志貫徹」記事より">「タタ・モーターズの初志貫徹」記事より
タタ自動車の会長、ラタン・タタは「People's Car」構想時に、「自動車ビジネスを変えたい」と言っていた。すなわち、「何としても4人乗りの4輪車を10万ルピーの価格で作り、多くの人に提供したい」「車を作ることで雇用を促進したい」、また「若い企業家を育成したい」という強い意志を持っているのだ。

「Tata Nano 「10万ルピーカー」 (クルマ) 」記事より
二年くらい前、財閥総帥のラタン・タタが「インド人のインド人によるインド人のためのクルマ=
『People's Car』(国民車)」として『1 lakh Car』構想を発表したときの反応は実に冷たいモノだった。欧米・日系メーカーはほとんどスルー、当のインド人ですら「絶対無理」「オート四輪じゃないの?」「どうせ人気取りのパフォーマンスだけ」とネガティブ意見のオンパレードだった。しかし、タタは諦めなかった。先進国のメーカーに冷めた目で見られようが、財閥の金を無駄遣いしていると地元のメディアに揶揄されようが、ひたすら頑張った。で、どうやら本当に作ってしまった。

「ナノ乗ってみた 広さにびっくり、ブレーキに冷や汗」記事より
タタ会長は6年前、二輪車に3人も4人も乗せて雨の中を走る家族の姿を見て、「庶民でも手の届く車を」と心に決めたという。安全性や耐久性は未知数。日本車に乗り慣れた記者には欠点も目につくが、「この値段で、よくぞここまで開発した」というのが素直な感想だ。

Comment

縁人
ダース=トリオムーン@ミナロさん

自らの意思で移動できる手段をもつ。
自転車も、バイクも、クルマも、我が物にする楽しみはそこにあるのでしょうね。

便利と不便は、二律背反の要素も。
在れば便利と思って手に入れた道具が、
そのうち、無いと不便<困ると感じるものに。どんなに時代が進化しようが、そこはそうではないという感覚はもっていたいのですが。


ダース=トリオムーン@ミナロ
私にとって「乗り物」は
「楽しい」モノです。

「便利」や「役立つ」は二の次。
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