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02/05 : 簡潔、濃縮。

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「今日は急いでいるので、長い手紙になってすみません」。
そう断って書き出した西洋の賢人がいたのを思い出す。
スピーチにも似たところがある。「1時間の話なら今すぐ始められるが、
10分の話は準備に1週間かかる」と、これは米国の28代大統領ウィルソンが言った。
(朝日新聞 「天声人語」より 09.01.20)
冒頭の「今日は急いでいるので~~」
うむ。一本! わかる。

「質問の60%の答えがわかるまで質問してはいけない」(ライアンのルール)
というものもある。
対象を調べ上げ、十分な予備知識を得て、はじめて堀り下げた問いが生まれ、
核心を突く答えに迫ることができる。

「アップルポリッシュ」などというのもありました。
磨いたりんごを相手に差し出す=「よくぞ、そこを訊いてくれました」
「いい質問だね」
相手を乗せるという意味合いもあるけど、取材対象者の言いたい、
強いては読者のそこが知りたい、を引き出すことにもつながる。

訊く。書く。対する。
には、姿勢に支えられた下地作業が必要となり、
しかもそこから得た結果=声の7,8割は編集の過程でばっさりと。
ただ捨てるというのではなく、紙面の趣旨に従って、全体を「加工」する。
経験者ならわかると思いますが、単なる文章の組合せではないから、
見えない汗をけっこう流すことになります。

ついでに、取材される側も「殿様」や「おまかせ者」にならず、
取材者を応援者にしてしまう、取材される姿勢が必要。
そのために取材を受けるわけだから、趣旨に応じて
答えの肝などを要所で用意しておくことで、明快に意思が伝わり、
紙面に反映されやすくなり、自分や自社の追い風となります。

それにしても「簡潔」は、意識するほどにむずかしく。
人と人との関係においては、お互いの成熟度合いや言わずの姿勢などが
掛け合いで成立してこそ、良質の結果につながる。

これは、なにかを訊く。書く。をこえて、多くの物事にも言えることでは?

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